2021.08.20コラム
コラム23:アパート大家さんには、知っておいてほしい豆知識 ~~「建物火災保険」について~~
★大家さんも火災保険に入る必要がある★
火災保険はその物件に住む人(入居者様)だけが入るイメージがあり、大家さんでの加入は必要ないと思われがちです。
しかし賃貸物件の場合は、実際に住む入居者様だけでなく、大家さんも火災保険に加入する必要があります。
そもそも、建物の所有者は大家さんでありますから、火災や自然災害等による建物への損害は大家さんの方で備える必要があります。
また、それ以外にも、建物の破損等で入居者様や通行人に損害を与えて賠償責任を負う、火災や自然災害等で家賃収入が途絶えてしまう等の賃貸物件特有のリスクも存在します。
こうしたリスクに備えるためにも大家さんも建物火災保険に入る必要があるのです。
よって今回のコラムでは、大家さんにて加入いただく「建物火災保険」について、詳しく解説してまいります。
火災や地震の発生確率は低いと思われるかもしれませんが、万が一、発生してしまった場合の損害は多大です。
現に弊社でも、過去に管理物件が火災による被害を受けましたが、建物火災保険の補償で事なきを得た経験がございます。
こうした不測のリスクを回避するために必要なのが保険です。
火災により建物が全焼した場合、建物がなくなればもちろん、家賃収入もなくなります。
金融機関への借入金が残っている場合は、返済も滞ります。
さらに、出火原因によっては、入居者様から損害賠償を求められる可能性もあります。
大家さんとして、こうしたリスクを回避するためにも火災保険への加入は絶対に必要です。
火災保険の対象となる目的物は、建物そのものと家財とに分けられます。
建物を目的物とした火災保険には大家さんが加入し、家財を目的物とした火災保険には入居者様自身に加入してもらうことになります。
なお、名称は「火災」保険ですが、実はほとんどの火災保険は、
■水漏れなどの「水災」
■雷被害の「落雷」
■竜巻などの「風災」
■大雪被害の「雪災」
■大粒だと建物に被害の及ぶ「ひょう災」にも対応します。
特に共同住宅の場合、給排水設備の事故などによる水漏れによる事故はかなり高い頻度で起こりますので、それが補償の対象となっているか、加入する保険内容を必ず確認しましょう。
なお、地震が原因の火災は通常の火災保険では補償対象外になりますので、地震保険への加入もしたほうがよいでしょう。
火災の出火原因が、入居者様の責任となるかどうかで対応する保険が変わります。
(出火原因が入居者様であれば、入居者総合保険にて対応いたします)
入居者様の責任とならない火災原因として、共用部分からの出火、自然災害、事故、放火、類焼(隣の建物からのもらい火)などがあります。
隣接する建物の火災から燃え移った場合、出火元である隣接建物の所有者や使用者に損害賠償を請求することはできません。
「失火の責任に関する法律」(失火責任法)というのがあって、故意または重過失がなければ免責されるからです。
ですから、隣室や隣家からのもらい火で自分の家財が被害にあっても、その失火者に損害賠償請求することができないので、自分の身(財産)は自分で守るしかありません。
こういったもらい火に備えるためにも火災保険に加入し、自分の身(ご自分の所有する物件)は自分で守ることが必要です。
入居者の責任となる火災原因としては、例えばタバコの火の不始末があります。
この場合は入居者が加入している火災保険(入居者総合保険)で対応します。
火災を起こしても重大な過失がなければ損害賠償責任は負いませんが、入居者には、賃貸借契約によって、退去時に「原状回復する義務」が課せられています。
よって、万が一火災によって建物を焼失させてしまったり、損害を与えた場合は、原状回復するための義務があり、それができない場合は損害賠償責任が発生してしまうのです。
そこで火災保険の出番です。
火災などの大きな事故を起こしてしまった場合、建物自体は大家さんの火災保険でカバーできるとしても、ご自身の家財や修復費用、隣家への補償などは、大家さんの火災保険では賄えきれません。
入居者にはこのことをよく説明し、大切な財産を守るために契約時は火災保険(入居者総合保険)への加入を勧めましょう!
※弊社ライフコーポレーションでは、賃貸借契約をする為の条件のひとつとして、全ての入居者様へ入居者総合保険に加入してもらっております。
家電や家具、衣類などを個々にみるとそれほど高額ではないと思われがちですが、ひとたび火事で全焼、といった場合に全部揃え直すと、かなり高額になります。
そのようなとき、家財保険が役に立ちます。
このような理由から、現在では、大家さんへの賠償責任と自身の家財一式を守る家財補償がセットになっている火災保険(入居者総合保険)への加入が一般的になっております。
賃貸契約で入居者様は原状回復義務を負い、入居者が加入する火災保険に借家人賠償責任保険が付いているからといっても、それで建物を回復できるのは入居者に責任がある損害の場合のみです。
隣家からの延焼や不審火、自然災害などで損害を受けた場合は大家さんが修復する必要があります。
また、簡単に修復できて引き続き入居者が住むのならばまだ問題はありませんが、修復に時間がかかったり建物自体がなくなったりして賃貸契約が解除された場合は家賃収入も失ってしまいます。
大家さんが持つ建物については大家さん自身も火災保険に加入して万が一に備えましょう。
また、大家さん向けの保険特約(施設賠償責任特約・家賃補償特約・家主費用特約…等)も加入しておくと賃貸特有のリスクについても備えることができるので、特約への加入も検討してみましょう。
今回は「建物火災保険」についての解説でした。
賃貸経営にはさまざまなリスクが伴いますが、「火災」のそのリスクのひとつと言えます。
万が一のリスクに備え、賃貸物件に見合った火災保険へは必ず加入しましょう。
アパート建築予定・建築中の施主様、現在アパート経営をされている大家さんなど、「建物火災保険」についてもっと詳しくお知りになりたい方は、お気軽に弊社までお問い合わせ下さいませ。
株式会社ライフコーポレーションでは、業務のデジタル化を進めながら、コロナ禍の最中でも工夫した業務形態を進め、賃貸マンションの入居率向上に努めてまいります。
また、知識の向上、技術の向上、人間力向上など、人材育成も欠かさず進め、社会・地域・お客様にお役立てできるよう邁進して参ります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。