2021.06.18コラム
コラム22:アパート大家さんには、知っておいてほしい豆知識 ~~「デッドクロス」を回避する方法とは~~
前回のコラムで、利益が出ているのに現金が不足してしまう…満室なのに、アパート経営の資金繰りが悪化…
このような状態「デッドクロス(ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態)」について、解説をさせていただきました。
※詳しくは下記URLからご覧くださいませ。
https://www.life-group-okinawa.jp/news/column/1695/
よって今回のコラムでは、この「デッドクロス」を回避する方法について、詳しく解説してまいります。
■物件購入時の自己資金を多くする
デッドクロスを回避する方法の1つとしてあげられるのが、不動産投資物件を購入する際の自己資金(頭金)を増やしてローンを組む借入金を少なくすることです。
借入金を少なくすればローンの支払い総額を減らせるだけでなく、経費計上できる支払利息の額も減るため、実際のキャッシュフローとの乖離が小さくなります。
また、当然ですが借入金の元金部分の返済額も減るため、デッドクロスに陥りにくくなります。
もちろん100%現金での物件購入であれば、デッドクロスは起きません。
■貯金をしておく
課税の基準となる帳簿上の黒字が増え、所得税や住民税が増えた場合に備えて、貯金をしておくこともデッドクロスの対策として有効です。
支払い利息を経費として計上することができる間は、その分の所得税や住民税を抑えることができます。
そこで節税した分を貯めておけば、デッドクロスに陥った場合の補填にあてることができ、資金繰りに困って支払いができないといった状況を回避しやすくなります。
■借入期間を延ばす
デッドクロスになりそうな場合や避けられないと予測される場合は、金融機関に相談をしてローンの借入期間を延ばしてもらうことも対策になります。
借入期間を延ばしてもらうことができれば、毎月のローン返済額(元金部分)を減らすことができるので、資金の負担を減らすことが可能です。
資金繰りが苦しくなってから相談するのではなく、できれば早めに相談するようにしましょう。
そのためには、前もってキャッシュフローや帳簿上の計算をしておいて、資金の見通しを立てておくことが大切です。
ただし、借入期間を延ばすことは、単なるデッドクロスを先送りすることであり、根本的に問題を解決したことではないことを肝に銘じておきましょう。
■繰り上げ返済する
デッドクロスを回避するために、ローンの繰り上げ返済をするのも1つの手です。
資金に余裕がある間(減価償却期間や経費として計上できる支払利息が多い間)に繰り上げ返済をしておけば、
ローンの返済額が減る(経費にならない元金が減っていく)ためデッドクロスを回避できる可能性が高くなります。
ただし、金融機関によっては繰り上げ返済をする際に事務手数料がかかる場合があるので注意が必要です。
あらかじめローンを組む際に確認しておくようにしましょう。
■元金均等返済を利用する
不動産投資ローンの返済方法には、元利均等返済のほかに毎月返済する元金が一定となる「元金均等返済」があります。
元金均等返済の場合、返済初期は借入金の残額が多いため利息が多くなるのが特徴です。
しかし年数経過とともに毎月の返済額自体は減っていくため「減価償却期間が終わってもローンの返済があるため収支が悪化する」というデッドクロスの発生要因への対策方法となります。
ただし毎月の返済額が一定のため、返済計画が立てやすい元利均等返済とは逆に不動産投資初期の収支が悪化しやすいことが懸念材料です。
デッドクロス発生前に収支が悪化してしまっては、本末転倒のため、元金均等返済を利用するかどうかは慎重に検討しましょう。
■減価償却期間が短い物件は購入しない
購入費用が抑えられる中古物件ですが、新築に比べ減価償却できる期間が短いというデメリットもあります。
減価償却期間が短いということは、早々にデッドクロスが到来するということです。
築年数が古すぎる物件を購入する際は注意しましょう。
■売却する・買い替えをする
不動産投資をしていてデッドクロスを避けられそうにない場合は、思い切って物件を売却したり買い替えたりするのも1つの手です。
売却した代金で新しい投資用物件を購入し新たにローンを組めば、再び支払い利息分と減価償却費を経費から差し引けるようになります。
■減価償却期間が長い不動産を追加で購入する
新築などの減価償却期間が長い物件を追加で購入することで、デッドクロスになった場合でも対処できます。
経費計上できる金額が増えるので、利益を圧縮でき、節税することが可能です。
ただ、闇雲に物件を買えば良いわけではないので注意が必要です。
新規で物件を買うとなると、まとまったお金を用意しなくてはなりません。
融資を引いたとしても、返済金額が増えてしまうことに変わりはないので、計画を立ててから購入を検討しましょう。
■ローンの借り換え
物件の買い替えと同様の効果があるのが、ローンの借り換えです。
減価償却費が再び差し引けるようにはなりませんが、ローンの返済が支払い利息分の割合が多い状態に戻るので、デッドクロスを回避する効果があります。
■ローン返済のシミュレーションを行う
購入する物件の築年数やローンを組んだ借入金の額によっては、デッドクロスに陥ることから逃れなれない場合があります。
そのような心配がある場合は、将来、いつごろデッドクロスが起こりそうなのかをあらかじめ把握しておくようにしましょう。
そのためには、キャッシュフローと帳簿の収支内容をしっかりと確認した上で、ローン返済や税金のシミュレーションをしておくことがおすすめです。
今回は「デッドクロス」を回避する方法について、解説いたしました。
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