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2021.01.26コラム

新型コロナウィルス感染症関連の法的解釈について

新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、これまでとは違った貸主&管理会社の対応や法的な解釈を理解する必要がございます。
そこで今回のコラムでは、「新型コロナウィルス感染症関連の法的解釈について」弊社ライフコーポレーションの考えも含めた上でQ&A方式にてご紹介してまいります。



【質問①】
感染した入居者様が退去されました。
次の入居者様へ重要事項説明を行う際、いわゆる心理的瑕疵として、前入居者様の感染事実の告知義務が生じるのでしょうか?

【回答】
心理的瑕疵に当たらず、次の入居者様への告知義務は必要ありません。まずは管理会社として、厚生労働省が通知する方法に従って、適切に物件の消毒を行ってまいります。



【質問②】
賃貸借契約締結後、入居者様から緊急事態宣言発令によって引越しも住むこともできないので、解約したいと連絡がありました。
感染症は不可抗力なので、支払済の契約金の全額返金を要求されました。
その要求通り、全額返金をすべきなのでしょうか?

【回答】
緊急事態宣言発令によって転居が法的に禁止されているわけではありません。
入居者様が転居を見合わせているものに過ぎないので、入居者様から無条件に賃貸借契約をキャンセル・解約をできるという法的根拠はありませんので、賃貸借契約書の定めによって処理することとなります。
但し、入居者様の事情にも配慮し、十分に協議されることが望ましいと考えます。



【質問③】
入居者様(同居家族含む)が感染された場合、他の入居者様や貸主様に通知すべきなのでしょうか?

【回答】
感染者の個人情報・プライバシー保護の観点から、感染者の同意がない限り、通知すべきではないでしょう。
貸主様への通知についても、管理委託契約に基づく報告義務の対象となる場合があると思われますが、個人情報・プライバシー保護の観点から、管理物件で感染者が出たという報告に限定すべきであり、感染者の同意がない限り、詳細な感染者情報は提供すべきではありません。
入院しているケース、自宅待機しているケース、いずれのケースでも通知すべきではありません。



【質問④】
感染した入居者様に対して、他の入居者様や貸主様から退去させるよう要請を受けた場合、管理会社はそれに応じる必要があるのでしょうか?
また、管理会社がそれに応じなかった場合、責任は生じるのでしょうか?

【回答】
感染症に罹患したことは、解約事由に当たりません。
よって、管理会社は退去要請に応じなくてよいうえに、責任は生じません。



【質問⑤】
入居者様が感染し、自宅待機をしております。
隣室の入居者様から自宅待機の理由を聞かれた場合、感染していると教えてもよいのでしょうか?

【回答】
プライバシーに配慮し、回答をすべきではありません。



【質問⑥】
管理物件のオートロック設備が故障した為、交換作業を予定しております。
各部屋内でも作業が必要な為、入居者に日程調整をお願いしていたところ、「新型コロナウィルス感染症が怖いから、外部の人を部屋内に入れたくない」と作業を拒絶する入居者様がいらっしゃいました。
交換作業を実施してはいけないのでしょうか?
また交換作業後、入居者様が感染してしまった場合、貸主様や管理会社の責任はあるのでしょうか?

【回答】
故障したオートロック設備の交換作業(賃主様が賃貸物の保存に必要な行為)を、賃借人はこれを拒むことはできません。(民法606条2項)
交換作業を行う外部委託業者が感染症対策をしっかりと講じておれば、賃借人にて拒絶すべき正当事由はございません。
外部委託業者が発熱やその他の症状を隠して業務を行った等の事情がない限り、貸主様や管理会社が責任を問われる可能性は低いと考えられます。



【質問⑦】
入居者様へ火災報知器の定期点検を要請したところ、感染リスクを理由に入室を拒否されました。
今後、どう対処すべきでしょうか?

【回答】
賃貸マンション等、建物の消防用設備点検報告は消防法で義務付けられております。
よって、火災報知器の定期点検による入室立ち入りは、賃貸借契約に規定されているのが一般的であります。
よって入室拒否・立ち入り拒否は、賃貸借契約上の規約違反にあたります。
そして、入居者様が点検を拒否し続けると、その入居者様自身へ契約違反による契約の解除や賠償責任が発生する可能性がある旨を伝え、入室拒否をしないよう粘り強く交渉していきましょう。



【質問⑧】
感染者の増加による人手不足で、取引先のメーカーから給湯器の入荷がストップしました。
管理物件の給湯器が故障したが、新品への交換ができず、長期間お湯が使えなかった入居者様から損害賠償請求をされました。
貸主様・管理会社に責任はあるのでしょうか?

【回答】
感染症の影響で入荷ができないのであれば、その間は修繕義務の債務不履行にはなりません。
但し、設備不良による一部滅失での賃料減額は、貸主様の帰責事由を問わない為、感染症を理由とする場合であっても、給湯器が使用できなかった期間については賃料減額の対象となります。



【質問⑨】
事業用物件において、感染症の影響で、テナント入居者様から早期解約の申し出がありました。
申し出た日の翌月までの賃料と違約金(賃料1ヶ月分)を請求したところ「予測不能な天変地異に準ずるもの」を理由に支払いを拒絶されました。
請求する権利はあるのでしょうか?

【回答】
感染症の影響があるにしても、物件自体が使用できなくなっている訳ではない以上、賃貸借契約は存続します。
また、感染症の影響で事業継続が困難となった場合に、テナント入居者様が早期解約の違約金を免れるという法的根拠はございません。
よって、テナント入居者様が早期に解約する場合には、貸主様が賃貸借契約書の定めに従って違約金を請求することは法的に可能です。
但し、テナント入居者様の事情にも配慮し、十分に協議されることが望ましいと考えます。



【質問⑩】
感染者が原因で発生したトラブルは、民法における「不可抗力をもって責任を免れる」に該当しますでしょうか?

【回答】
基本的には不可抗力という理解でよいのですが、感染症に応じて取るべき手段を講じていない場合には、過失が問われる場合があります。



今回は「新型コロナウィルス感染症関連の法的解釈について」についてのご紹介でした。
新型コロナウィルスによる世間の価値観や常識は日々変化しております。
今後、世論の動きを逐一確認し、その都度顧問弁護士へからのアドバイスを頂きながら、皆が不幸にならぬよう適切な判断を提案してまいります。

弊社は、弁護士・税理士・司法書士等、専門アドバイザーとも提携(顧問契約)しております。
弊社管理物件の家主様は、弊社顧問弁護士への(初回)相談は無料ですので、ぜひ一度弊社までお気軽にお声掛けくださいませ。

株式会社ライフコーポレーションでは、業務のデジタル化を進めながら、コロナ禍の最中でも工夫した業務形態を進め、賃貸マンションの入居率向上に努めてまいります。
また、知識の向上、技術の向上、人間力向上など、人材育成も欠かさず進め、社会・地域・お客様にお役立てできるよう邁進して参ります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

※今回のコラム記事は、日管協が出版している「賃貸住宅クレーム・トラブルQ&A(vol.2)」から引用いたしました。わかりやすく表現するため、一部文章の書き換えも行っております。